遺品を仕分け始めると、家具だけでなく、普通ごみや資源物も一度に大量に出ることがあります。通常の収集日に少しずつ出すのが難しいときは、川崎市の一時多量ごみ制度を利用できる場合があります。
ただし、一般的な不用品回収業者へそのまま渡せるわけではありません。カワサキノオトのライター、みさママが、市の制度と民間の遺品整理サービスを分けながら、依頼先を考える順番をお伝えします。

片付けとごみの収集は、役割が少し違います
遺品整理で一時多量ごみ制度を利用できる場面
川崎市の一時多量ごみとは、一時的に多量に発生する家庭系ごみを指します。引っ越しや遺品整理、施設への入所などで出た大量のごみを、希望する日にまとめて処分したい場合に利用できる有料の制度です。
家具などの粗大ごみだけでなく、普通ごみや資源物が多く出た場合も対象に含まれます。ただし、川崎市の分別区分に当てはまる物が対象であり、家の中にある物を種類に関係なく全部引き取る制度ではありません。
通常の収集日へ出す方法との違い
普通ごみや資源物を市の決められた収集日に少しずつ出せるなら、通常の方法でも進められます。粗大ごみは別の申込みが必要です。量が多くても、退去日まで余裕がある場合は、通常収集で無理なく減らせるか確認してみましょう。
一方、退去や売却の日が決まっている場合や、複数の種類のごみを一度に出したい場合は、一時多量ごみ制度が合いやすくなります。家庭ごみの量、処分期限、家から運び出せる人がいるかを見ておくと選びやすいですよ。
家庭ごみの収集は川崎市の許可業者へ依頼する
家庭から出る廃棄物を事業者が収集し、処理施設まで運ぶには、川崎市の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。遺品整理を行う会社であっても、家庭ごみを運べるとは限りません。
家庭ごみの収集運搬は許可業者へ依頼するのが基本です。古物商許可は中古品の売買に関する許可であり、家庭から出た廃棄物を収集運搬するための許可とは異なります。
許可には事業系一般廃棄物や産業廃棄物などの区分もあります。一時多量ごみを依頼するときは、川崎市が公開している「一時多量ごみ許可業者一覧」に掲載されているかを、公開時点の一覧で確かめます。
一時多量ごみを申し込んで引き渡すまでの流れ
川崎市が案内している流れでは、利用者が許可業者を選び、見積もりを取ったうえで、地域を所管する生活環境事業所へ申込書を提出します。その後、分別したごみを許可業者へ引き渡します。
川崎市の一時多量ごみ許可業者一覧から依頼先を選び、見積もりを取ります。
原則として本人が申込書を記入し、所管の生活環境事業所へ提出します。
対象外品を分け、普通ごみや資源物などを川崎市の区分に沿って準備します。
契約した許可業者へごみを引き渡し、業者が市の施設へ搬入します。
申込書は生活環境事業所でも受け取れます。川崎市は、窓口への提出が難しい場合にオンライン提出も案内しています。掲載時点では3営業日前までとされていますが、申込期限や提出方法は利用時に公式ページで確かめてください。
市の収集制度と室内の遺品整理は別の作業
一時多量ごみ制度では、分別したごみを許可業者へ有料で引き渡します。川崎市が室内に入り、残す遺品と捨てる物を選んだり、すべてを梱包したりする制度ではありません。
処分を急いでいても、通帳、印鑑、契約書、写真、貴重品などをごみと混ぜないようにします。家族間で保管する物を決めてから、処分候補を川崎市の分別区分へ振り分ける流れなら無理がありません。
市の制度と民間サービスの違いは、次のように分けて考えると分かりやすくなります。
- 一時多量ごみ制度
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市への申込みと分別を行い、許可業者が家庭ごみを収集して施設へ運びます。
- 民間の遺品整理
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残す物の仕分け、分別や梱包、養生、搬出、簡易清掃などを相談できるサービスです。
大量の家財を処分する前に、残す物と処分候補を分ける作業そのものが難しい場合は、民間の遺品整理サービスへ相談する方法もあります。ただし、ごみを実際に運ぶ事業者と許可の有無は別に確かめる必要があります。
遺品整理110番は、加盟店の紹介や見積依頼、サービス申込みの取次を行う窓口です。紹介サービスの利用料金は無料ですが、担当加盟店との作業契約や費用は別になります。一時多量ごみの許可業者であるとは限りません。
搬出を含めた費用は見積書で確かめる
一時多量ごみの費用は、部屋の広さ、ごみの量、屋内からの持ち出しの有無などで変わります。許可業者によって料金も異なるため、川崎市は見積もりを取ってから契約するよう案内しています。
玄関前からの収集だけなのか、室内からの搬出も含むのかで、必要な作業は変わります。階段作業や養生、分別の補助、車両への積込みなど、どこまでが見積金額に含まれるかを項目ごとに見ておきましょう。
見積書を受け取ったら、少なくとも次の内容を確かめます。
- 室内からの搬出費が含まれているか
- 仕分けや梱包を依頼できる範囲
- 家庭ごみを収集運搬する事業者名
- 一時多量ごみの許可状況
- 対象外品の処理方法と追加費用
民間の遺品整理サービスと許可業者が別の場合は、それぞれの事業者名と費用を確認します。見積書の「処分費」だけでは収集運搬の担当が分からないこともあるため、契約前に説明を受けておくと行き違いを減らせます。
家電4品目や処理困難物は制度の対象外
一時多量ごみとして引き取れるのは、川崎市の分別区分に当てはまる物です。エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目や処理困難物は、市が収集できないため対象外です。
パソコン、消火器、自動二輪車などにも、それぞれ市が案内する処分方法があります。大量の遺品に混ぜたまま一括で渡さず、品目名を控えて、メーカーや指定された回収先などの現行ルールを確認します。
担当事業者が対象外品にも対応できると説明した場合は、処理方法と費用を個別に聞いてください。一時多量ごみの料金に当然含まれるとは限らないため、対象品と対象外品を分けた明細があると内容を把握しやすくなります。
遺品整理サービスへ相談するときの役割分担
遺品整理110番では、遺品の仕分け、分別や梱包、養生、搬出・積込み、簡易清掃などを相談できる構成になっています。実際の対応範囲や作業時間、料金は現場と担当加盟店によって確認が必要です。
相談時には、川崎市の一時多量ごみ制度を利用したい旨を伝えます。そのうえで、収集運搬する事業者名と許可状況を尋ね、川崎市が公開する最新の許可業者一覧と照らし合わせましょう。
担当加盟店に許可がなく、別の許可業者と連携する場合も考えられます。その場合は、誰が室内整理を行い、誰が家庭ごみを運ぶのかを分けて聞くと、契約先と費用の内訳が見えやすくなります。
無許可の不用品回収へ一括で渡さない
ウェブサイトやチラシに「不用品回収」「遺品整理」と書かれていても、それだけでは家庭ごみを収集運搬できる根拠になりません。川崎市は、許可なく家庭の廃棄物を収集運搬する業者を利用しないよう注意を促しています。
会社名がよく知られているか、古物商許可を持っているかだけで決めるのも避けたいところです。一時多量ごみの収集を依頼するなら、川崎市の該当する許可一覧に載っている事業者かを確認します。
「すべて回収」と説明された場合も、市で収集できない物が含まれていないかを見ます。処分先や収集運搬の担当が分からないまま契約せず、対象外品を含めた処理方法を書面で示してもらうと内容を比べやすくなります。
退去日が迫っているときほど日程を分けて考える
退去日が近い場合でも、市への申込み、許可業者との契約、分別、搬出を同じ日に済ませられるとは限りません。オンライン提出にも期限があるため、処分希望日から逆算して所管の生活環境事業所と許可業者の案内を確認します。
まず残す物を分け、その後に制度の対象品と対象外品を分けると、必要な依頼が見えてきます。家族だけで仕分けられるなら市の制度を中心に進め、作業の負担が大きければ民間サービスを組み合わせる方法があります。
大量ごみの処分と室内整理を切り分けて進める
川崎市の一時多量ごみ制度は、遺品整理で出た普通ごみや資源物などを、許可業者が有料で収集する仕組みです。市が室内の遺品を選別するサービスではないため、仕分けとごみの収集を分けて考えます。
許可業者一覧、申込期限、対象外品の扱いは変更される可能性があります。利用するときは川崎市の公式情報を見直し、見積書では搬出範囲、収集運搬の担当、許可状況、追加費用まで確かめてから進めてください。













